雛人形のお下がりについて、たびたび話題になります。
一体なのがダメなのか?そもそも本当にダメなのか?
そんな疑問を持たれている方も多いと思います。
雛人形のお下がりはなぜNGと言われるの?
雛人形は、一般的にはお下がりではなく、一人につき一つ持っておくものとされています。
それには雛人形の歴史が関係しています。
その起源は、平安時代に中国から日本へ伝わった「上巳の節句」という風習にあります。
上巳の節句では、草や藁などで作った人形(ひとがた)に穢れや災いを移して川や海に流すことで厄を祓っていました。
やがて貴族の女の子たちが行っていた「ひいな遊び」という人形遊びの文化と融合し、時代が進むにつれ「雛祭り」として定着していきました。
このことから、雛人形には「身代わり」として、女の子の災厄を引き受けるという大事な役目があります。
ゆえに、雛人形のお下がりは「厄を引き継ぐ」ということにもなってしまいます。
できればお下がりではなく、その子専用のものを用意するのが望ましいでしょう。
とはいえ、それは雛人形本来の意味や伝統を重視する場合です。
あくまで「歴史的にはこう考えられている」という見解の一つであり、必ずしもこれに縛られる必要はありません。
近年では、雛祭りという行事や、インテリアとして楽しむためものと考えている方も多いかと思います。
それはそれで、間違いではありません。